「おい」 「はい」 「貴様の話をしろ」 ある日、ひまを持て余した三成が言った。 目が見えなくては、鍛錬はおろか執務もこなせない。 一日の時間が腐るほどに余ってしまっているのだ。 女中は少しの間を開けて、口を利いた。 「つまらないですよ」 「暇潰しにはなる」 「分かりました」 そうして、初めて三成はの口から他の話を聞くことになった。