「ご覧、日が沈む。今日が終わるんだよ」
友と恋人、そのどちらかを選べと言われたならば、彼は迷いなく友人を選ぶ
そういう人間だった そういう生き方をしていた
友に腹を割って話せぬ話などない 共感は常に友とある
自分にある醜さを友は知っている それでも好きでそばにいてくれるのだ
志を同じくする友がいるというのは 何と素晴らしい事だろう 生涯の宝だ
考えてみてほしい その全てを恋人と分かち合う事など出来るだろうか
きっと無理だ なぜなら男は女の前では多かれ少なかれ見栄を張りたがるし
女だって 腹に隠した醜い本音を男に対して口にすることなどないだろう
内に抱えた闇を人に明かし 許してもらう事も出来ないのでは
人間は未来永劫 永遠に孤独のままだ 恋人とともにいる意味はない
だから思うんだ
女も男も、持つべきものは 大切にすべきものは 友である
僕は 少なくとも僕は そんな風に思うよ
「だけど半兵衛、友はあなたのために、命をかけてはくれないわ」
たった一つの 世界の真実
僕はそれに 今日も耳と目をふさぐ
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